住職:
片手間で何かをしながらの開発というのは、私にとってただの気休めですね。本気の開発のときは、ほかの仕事を絶って、ホテルにこもるのが一番だと思います。
吉田:
僕は、滋賀から出張で東京に来るときは、宿泊先で夜中に開発をしています。そういう環境にいると頭が冴えてくるんです。人とコミュニケーションとるのと、パソコンとでは明らかに違う。2重構造なんですよね、きっと。
—-となると、プログラミングを専門にやっている会社とは、仕事の進め方が全然違うということでしょうか?
住職:
はい。数ヶ月かけて進めるものも、吉田さんはそうでない。とてもスピーディーです。私たちのやり取りは、「これはどうしたらいいいですか?」「こうでいいんじゃないですか?」「では、これではどうでしょう?」「なるほど。画期的ですね。でも…今までと全く互換性がないですね」という感じです(笑)
吉田:
そうそう。
例えば、金曜日に「1週間後までに、ここのシステムを直しておいて」という依頼があったとします。そうしたら、僕は多分、月曜日にはお客さんのところに届けちゃうと思う。
お客さんが休んでいる間に完成させて、休み明けにすぐ見てもらえれば、お客さんにとってもシステムの不具合のせいで立ち止まっている事案が早く解決して嬉しいでしょうし。
お客さんも喜んでくれる…なんて、自分で言うのもおこがましいですが、マイナスには絶対作用しないと思うんです。
それに、納品したものがお客さんの想像してたものと違っていても、まだ納期である金曜日まで時間がある。金曜日までに直せばいいのだから、全然マイナスじゃないんです。
でも、同じものを納期ぎりぎりに出したら、「何してるんや!」って怒られでしょう。
月曜日に前倒しで納めれば、笑って怒られる。金曜日なら本気で怒られる。
そう考えるうちに、知らず知らず、前倒し—-とにかく仕上げてしまうようになりました。
自分でこねくり回すよりまずはお客さんに見てもらう、見てもらうには早いほうがいい、そして、お客さんと作り上げていけばいい…と。
ほかの開発者からは「そんな手法あり得ない!」って言われるらしいですけど(笑)
―続く―